「特撮のDNA―ウルトラマンGenealogy」を見て、作品の持つ力について考えさせられた

投稿日: 2020年10月20日

作り手に受け継がれる「遺伝」、視聴者に受け継がれる「種子」

 どうも岡本鉄帽(てっぱち)です。昔々、学生だった頃、歴史の講師に「なんで、その道を志したんですか?」とたずねたことがあります。
 その答えは「『ウルトラQ』を見たから」。作品に登場する「伝承」というものに興味を持って調べていたら、歴史の講師になっていたそうです。
 子どもの頃に見た作品の影響は、計り知れないものがあります。いや、ほんと。

 てっぱちも「怪奇大作戦」で好奇心を刺激されました。今でも、それが仕事や趣味の原動力になっています。怪奇を暴け、SRI!

 最近まで、ウルトラシリーズをはじめとする特撮作品に使われた小道具や造形物を展示する「特撮のDNA―ウルトラマンGenealogy」(主催・特撮のDNA製作委員会、イーステージ、会期・9月5日~10月18日)が、東京ドームシティ ギャラリーアーモで開催されていました。

 実は、てっぱちも行ってきました。

 あー、科学特捜隊のスーパーガンってやっぱり左右非対称なのねぇ。ほー、ヘルメットの流星マークは布製ワッペンだったのかあ。

 と思いきや、ウルトラ警備隊のヘルメットは、金属製のマークで、きちんとしてるなぁ。

 「ウルトラマンA」の変身アイテム「ウルトラリング」って、結構でかい…。

 いやー、展示物を見るのに、時間がいくらあっても足りません。

 「ウルトラマンマックス」や「ウルトラマンゼロ」といった平成シリーズの展示もあります。

 オー、「ウルトラマングレート」もあるぞぉ。ウルトラシリーズで最もトラウマな怪獣と挙げろと言われたら「邪悪生命体ゴーデス(第2形態)」ですね。グレートを体内に取り込むとか、すげえよ。

 「ウルトラマンパワード」も好きだったなぁ。バルタン星人やゴモラといった、おなじみの怪獣がアメリカナイズされた姿を見るのが楽しみでした。

 「ウルトラマンパワード」には「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督が制作に参加していましたが、米国での仕事の権限などで悔しい思いをして、そのリベンジが平成ガメラシリーズにつながっているというのは有名な話ですね。

 本展の名称「特撮のDNA」を聞いて思い浮かぶのは「遺伝」や「種子」という言葉です。

 例えば、ある作品のスタッフが、のちに監督となって自分の作品を作ったときに、以前携わった作品の影響を受けていたら遺伝と言えますよね。

 これとは別に視聴者へ受け渡される「種子」というものもあると思います。

 2000年代前半に放送された大手通信会社のCMを覚えている方はいらっしゃいますか。

 この中で、双方向映像通信のイメージとして「ビデオシーバー」での通信シーンが登場します。ビデオシーバーは「ウルトラセブン」でウルトラ警備隊の隊員が装備する腕時計型の通信装置です。

 このCMの一幕が成立するには、作り手と受け手双方に「映像通信」と「ビデオシーバー」のイメージが強く結び付いている必要があります(ターゲット年齢層もあるでしょうけど)。

 あと、実際に何かの通信端末で映像通信した際に「あっ『ウルトラセブン』のビデオシーバーだ」と思った大きいお友達は手を上げろください。

 てっぱちは、マジで思いました。「そうか『ウルトラセブン』の時代を追い越したんだなあ」と感慨深かったですよ。

 これね、「ウルトラセブン」作品を構成する「ビデオシーバー」という種子を視聴者が受け継いで、長い間保っていないと、感じ入るものなんてないはずなんです。

 これって結構重要なことだと思うんですよ。漫画「エリア88」(新谷かおる、小学館)に「対空地雷」という兵器が登場します。地中に埋めた対空ミサイルで、味方信号を発せずに上空を飛ぶ飛行機へ襲いかかるという兵器です。

 当初は敵・味方を識別できない、有効射程が約500メートルといった問題から実用に適さず、武器業者の間から忘れ去られます。

 ですが、自軍機の襲われた状況を考えると、この対空地雷による攻撃としか考えられない…。

 「あり得ない」と話す武器業者に、エリア88基地司令官のサキ・ヴァシュタールは「武器の可能性というのはアイデアだ。性能を満たすのは技術の問題だ。私ならその対空地雷のアイデアは捨てんぞ」と言います。

 要は、アイデアを実現させるために、技術が新たに誕生したり、発展したりするんだということですね。

 今「ウルトラ」シリーズなどを観ている子どもたちが、作品から何かアイデアにつながる種子を受け継いで、将来すごいものをつくるきっかけにするかもしれません。

 そう考えると、作品の果たす役割って大きいなあ。

 あ、そういえば会場入口で来場特典のワッペン風シールもらったんだった。

 ♪絵柄は何かな~。おっウルトラマンジャックだ!

ヌッ

「てっぱち君、僕の中ではジャックではなく『新マン』なんだけどなぁ~」

ヌッ

それだと2021年公開予定の『シン・ウルトラマン』と被りそうだから『帰りマン』だよ~」

ヌッ

「いやいや『ウルトラマンⅡ世』でしょ~」

 さ、さすが「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」のタブロイド新聞を手掛けてきたスポーツ報知。あちこちから特撮ファンが湧いてきます。
 「ウルトラセブン」第33話「侵略する死者たち」シャドウマンみたいだ…。

ヌッ

「で、てっぱち君はどっちの名称で呼ぶのぉ~」

 分かった!分かりました!こうすれば解決です!!

「帰ってきた新ウルトラマンジャックⅡ世」

 よし逃げろっ!!

 特撮ファンだとか「ウルトラ」ファンだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

 さて「特撮のDNA―ウルトラマンGenealogy」では歴代出演者のスペシャルトークショーも行われ、その模様が期間限定で有料配信中です。桜井浩子さん、古谷敏さん、森次晃嗣さんといった方々が、それぞれ登壇されています。

 それに9月29日から「ウルトラセブン」4Kリマスター版が、BS4Kで放映中です。

 あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~

 ◆岡本 鉄帽(おかもと・てっぱち)66式。どっかの編集兼ライター。艦長はタイラー、隊長は後藤喜一、課長なら佐々木和男が好き。海の公務員を夢見て今は宝鐘の一味。